a-ha THE MOVIE
2022年5月20日から、新宿武蔵野館ほかで全国ロード・ショー公開になる「a-ha THE MOVIE」。ひと足早く鑑賞しました。
音楽アーティストのドキュメンタリー映画は、時としてファンの心を熱くするだけではなく、ちょっとした虚しさを覚えてしまうものですが、
「a-ha THE MOVIE」は、虚しさがあっても、真実がしっかりと伝えられていて、見応えがありました。
あの当時音楽シーンの真っ只中にいた私でさえも、知らないことがいっぱいあり、驚かされながらも、モートン、マグネ、ポールの3人の
音楽に対する葛藤と、世界のa-ha になってからの反抗、そして時を経て、a-haとしてやるべきことを受け入れるまでの時間を、
観るものに伝えてくれるドキュメンタリー映画となっています。
売れようと模索していたロンドン時代は、どのアーティストも経験する極貧生活の中で、
3人が3人のスタイルを作り上げようと努力していた時代として描かれています。
いくつものヴァージョンが作られ試行錯誤の上に完成した「Take On Me」。そして信じられないほどの成功を収め、
ノルウェーを背負って立つグループとしてのプレッシャーや、次作制作への周りの人たちとの対立。ポールの音楽に対するこだわりの中で生まれた
セカンド・アルバム。そしてa-haとしてのサウンド作りに戻ったサード・アルバム。
1枚1枚の作品を通じて、私たちが考えも及ばなかった3人の対立。そして信頼。
何度かのインタビューで、とても穏やかなグループという印象を持っていましたが、かなり激しい面も持ち合わせていたことも驚きでした。
このドキュメンタリーは、さまざまな葛藤を経て、今現在もa-haとして歩み続けることを決めた姿があるから素晴らしいのです。
当然わかっていたことですが、改めてモートンのヴォーカリストとしての魅力、ポールの作曲家としての溢れる自信、
マグネのアーティスティックがゆえに、心臓病を抱えながら、クリエイティヴな道を突き進む姿。
a-haは、80年代当時から、アイドルの枠を超えたクリエイティヴ集団であったことを実感しました。
「Take On Me」だけが一人歩きしているグループとして見られがちですが、
この映画では、数多くのヒット曲を放っているグループであることを、改めて知る良いきっかけにもなるはずです。
ちなみに私が好きなa-haの曲は、「The Sun Always Shines On TV」「Hunting High And Low」「Manhattan Skyline」「Touchy」
#ahathemovie