Take That…My Story 2

デビュー・アルバムの成功を受けてのセカンド・アルバム「Everything Changes」で、Take Thatは巨大なグループへと成長していきました。イギリスではもうその勢いを止める事はできません。「Everything Changes」「Pray」「Relight My Fire」「Babe」などのビッグ・ヒットを放って、再度プロモーションで来日しました。 今回は昔ディスコだった会場でのミニ・ライヴ!「Relight My Fire」のパフォーマンスがかっこよかったのを覚えています。ステージを終え、VIP席に戻ってきた時、メンバー5人がすべてを出し切った表情だったのを覚えています。そこでは業界の人たちがたくさん集結したイベントでもありました。初来日の時とは比べようがないぐらい、彼らの認知度が日本でも急激に上がっていったということです。After The showのパーティーでは、多くの業界人、メディアに囲まれて、大忙しの彼らの姿を見て、あ〜ビッグになったんだなって感じました。

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業界の女子に囲まれて!dj mapi、山川たか子さん、和田静香さん、小田静枝さん、今泉幸子。ゲイリーと私は乱入の写真でした。

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何かマークから頼まれたものを渡したのですが、その袋を胸にしまっていました。中味。。。。忘れました。

セカンド・アルバムがUKナンバー・ワンに輝き、Take Thatは、イギリスでもアリーナ・クラスでコンサートが開催できるまでになりました。彼らの大きさを次に感じたのは、ロンドン・ウェンブリー・アリーナでのコンサートでした。「Pray」のときには、クワイアーをバックに壮大なる、感動的なパフォーマンスを披露してくれました。終了後にイギリス、ヨーロッパのメディアを集めたミート&グリートがあったのですが、ウエンブリーのロビーに入りきらないぐらいのメディアが集まりました。あのロビーでミート&グリートをやったのは彼らだけではないでしょうか?そこに参加した日本のメディア小集団ではありましたが、遠くにいたマークが私たちを見つけて、駆け寄ってくれたのが嬉しい出来事でした。彼らが日本を大切に思ってくれて、日本が忘れられない思い出になっていてくれたことを実感できました。

勢いに乗ったTake Thatは1995年「Nobody Else」をリリースします。彼らはイギリス、ヨーロッパ・ツアーを行い、そのツアー中のドイツで取材をすることになりました。シュトゥットガルトでした!あまりにも人気が凄すぎて、本国イギリスで取材をするのは不可能とのことで、ドイツだったのです。コンサートが始まる前、リハーサルの後、30分間という短い時間が用意されました。そしてこの日、5人揃ったTake Thatを見る最後となりました。もちろんこの時は想像もしなかったことです。楽屋で待っているとリハを終えた5人がぞろぞろと入ってきました。みんなエネルギーいっぱいです。ただ、ロビーだけがおとなしくて、まあこの時期はどこか自分を押し殺していたところがあったので、さほど心配はしていなかったのですが・・・・。それでも特におとなしいと感じました。チュッパチャプスをなめながら、インタビューはいつものように元気いっぱい、脱線状態。最後にジェイソンがギターをもち、彼の演奏で「Back For Good」を5人で歌ってくれました。5人で・・・。ジェイソンがギターを弾いことも新鮮ではありましたが、5人それぞれがグループの中で音楽的な個性を発揮し始めていることを嬉しく感じたものです。「Never Forget」でのハワードもTake Thatの新しい個性になりましたよね。この模様は今も映像に残されています。

コンサートのパフォーマンス、仕掛けは年々重ねるごとにエスカレートしていき、見応えのあるステージを披露してくれました。そしてこれが5人のTake Thatのライヴを観る最後になりました。ロビーはこの年の7月に脱退を表明、その3ヶ月後に4人となったTake Thatの初来日公演が代々木第一体育館で開催されたのです。その時に思ったのは、ドイツで会ったロビーの様子が少しおかしかった理由を、否が応でも知らされたということ。受け入れがたいヨーロッパのファンの自殺騒動も心を痛めることとなりました。

ロビー脱退後も、私のラジオ番組ではTake Thatはダントツの人気で、悲しみをもちながらも、来日公演を楽しみにしたいというファンの複雑な思いがありました。来日に合わせファンから似顔絵を募集し、メンバーにお気に入りを選んでもらおうという企画をたてました。みんなで盛り上がりたいという思いからのミニ・イベント。コンサート会場の楽屋の一室にみなさんからの作品を展示し、メンバーに優秀賞を選んでもらいました。その写真が彼らのイギリスで発売になった写真集に掲載されてびっくりでした。そこに写っているのは私とディレクターの妹と当時の宣伝担当で今はS社のお偉いさんK氏です。懐かしいです。

ロビーが脱退してすぐのコンサート。ドイツでは5人揃ったライヴを観たばかりだったので、ただただ切ない思いがありましたが、それでも4人で日本に来てくれたことが嬉しいライヴでもありました。ちょっと脱線しますが、レコード会社のスタッフによる「Sure」のパフォーマンス映像というのがあって、それが96年のお年賀としてメディアに配られたのを妙に鮮明に覚えています。どこかにあるはず・・・・

96年Take Thatは新曲「How Deep Is Your Love」をリリースし、ベスト・アルバムの発売を発表しました。これからも4人で活動していくという表れである新曲だと疑うことはありませんでした。ベスト・アルバムのライナー・ノーツを書き、前向きな文章を仕上げた直後、Take That解散のニュースが入りました。驚きとショックが同時に襲ってきましたが、まずはライナーを書き直すといった現実的な課題をこなさなくてはいけませんでした。解散発表の記者会見では、心残りを隠すことない4人の姿がありました。

解散発表後、世界のメディアに向けた最後の記者会見は、オランダ・アムステルダムで行われました。私もその席に座り、彼らの最後の思いを聞くことになります。会場の外には、解散しないでコールを送るファンの声が聞こえました。単独のインタビューはなかったのですが、最後に参加したメディアの人たちひとりひとりに感謝の気持ちを込めて、カメラマンによる記念撮影の場が設けられたのです。お世話になったメディア、スタッフ、レーベルの方々へのお礼だったのでしょう。

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これがオランダでの写真。サインは、のちにソロで来日したマークが書いてくれて、ゲイリーは、再結成後に来日した折、この写真をスタジオに飾っておいたのですが、何気にサラサラっと。メンバーが帰ってから気づきました。あっゲイリー書いたんだって!